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パートナーとの出会い

自分なりに色々なワークをこなし、そろそろ自分らしく生きたいと思っていた頃、と同時に壁にぶつかっているのを感じ苦しかった時、友人が誘ってくれた場所に彼がいました。その時は、彼に対し、私にしては珍しく興味が沸きました。失礼な言い方かもしれませんが、好み通りのタイプだった訳ではないのですが、話を聞いている内に一瞬「私のパートナーはこんな人だったらいいな。」と思ったのでした。精神世界に対して真摯にきちんと取り組んでいるのが直感で分かったので、こういう男性が増えるといいなあ、と感じました。
 でも、もともと警戒心も強く男性に惚れにくい性質だったので、本当に一瞬だけで、そんな感情はすっかり忘れてしまいました。
 そして次に会ったのは、3ヶ月後。その時は私が友人を連れてお話を聞きにいったのです。その時も、それだけでした。
 クリスマスも過ぎ、年も明け、娘を大雪が降る中「モーニング娘。のコンサート」に連れて行ったのが最高に寂しさを感じたピークでした。周りは楽しそうにしていましたが、寒さに弱い私は、娘と二人の孤独を感じていたのです。
 その2日後に、偶然、また彼と遭遇する事になったのです。後で知ったところによると偶然ではなかったようなのですが。そして、この年齢になって、突然「愛の告白」をされたのでした。
 子持ちの×1だし、何度も会った事があるわけじゃないし…と初めはとても警戒してしまって自分の内面を整理するのに精一杯でした。小娘でもないので、とても現実的になってしまったのです。簡単に嬉しいだけではない自分がいました。不安だったのです。
 ただ、救われたのは、彼が人の話を聞くことが出来る人であったことでした。たくさんたくさん話す中で理解を深めていきました。彼は当時会社に勤めるサラリーマンでありながら、天使のチャネラー兼カウンセラー、実は生まれながらの霊能者でもありました。
 元々不思議な話が当たり前の私には何の抵抗もありませんでしたが、少しずつ私達の縁が明らかになっていきました。それも、ほんの3ヶ月の内に怒涛のごとく知り得て行った情報であり、私はそのたび混乱していました。本当に最近の時間の流れの速さは20世紀の何倍にあたるのでしょうか?
 初めは、興味本位で彼の能力に頼る事に抵抗があって聞かなかったのですが、ある時、私を守ってくれている存在の話を聞いてみました。すると「ラファエルが生まれたときからだね、後、巫女とおばあさんと、ミカエル系の4つかな。」と言われました。
 天使がいるのは元々信じていましたが、ラファエルと聞いて驚きました。私の周りはたまたまなのか、ミカエルを守護天使と思っている友人が多かったのですが、私は何となくラファエルに惹かれていました。美術館の広告の「ラファエル」という文字が気になって仕方なかったりしていたのです。
 「おばあさん」は、誰だろう?と考えても良く分かりませんでした。でも、「巫女」という言葉を聞いたとき、突然、伊勢の過去世を思い出しました。もしかして?と思い、簡単に彼に話しました。その時彼は「ふ〜ん。」と言っただけでした。

鎌倉の過去世物語/序章

 実際、催眠療法なども含めて、身内のセッションはしないのが通例となっています。
 医者も身内の手術はしないといいますが、セラピストに感情が入ってしまうとそれだけで良くも悪くも影響が出てしまう事は明らかです。彼も後々、私と娘の危機(?)を察知して色々能力を使おうとするのですが、なかなか第三者に行うような明快さを伴わない事も多くありました。感情とはそれだけ色々なエネルギーに影響を及ぼしているということです。
 感情が伴わない範囲での透視の中で、私の守護植物が「桜」「オリーブ」「バラ」であることや娘は「百合」でマリア様の加護のもとにいると教えてくれました。そういえば、娘がたまたま入った保育園は毎年マリア祭を行っていました。
 「桜の咲く頃、鎌倉へ行こう。
  何か面白い事が起こるみたいだよ。」
 その時点では彼でさえ、偶然という一言では説明のつかない過去世の物語までは思いも及ばなかったはずです。

鎌倉の過去世物語/伊勢へ

それから、暫くして、彼が節分の日に伊勢神宮へ行く事にしていると知りました。珍しい場所でもないし、と思い気にはしませんでしたが、この出来事もまた大変深い意味があったのです。私に告白しようと決めた時期と伊勢神宮へ行こうと決めた時期がほぼ同じだったとも言っていました。
 当日かなり早くから外宮に着いた彼は、なんちゃって霊能者ぶりを発揮し、同行していた友人に怪訝な顔をされながら独り言をぶつぶつ言っていたそうです。彼にしてみれば、見えない存在と会話しているわけなのですが。
 外宮に着くなり、白髪でひげを生やした老人が案内人としてツイテきたそうです。

 「あんた、なに?」と質問すると、

 「外宮を案内いたします。」との答えが返ってきたといいます。

 「で、あんた誰よ?」

 「よくぞ、舞い戻られた。貴方がかつて歩いた道を歩き、その当時に抱いた罪悪感を置いて行きなさい。」

 「???」

 意味も理解できぬまま案内されたそうですが、外宮を離れたところで老人は離れていったのでした。
 次に内宮を訪れた二人ですが、そこでも、彼の友人には見えない「存在」が待っていました。本宮への道の途中、赤い橋の上の参道に巫女が3人いたのだそうです。
 「あなたが良くご存知の女性に仕えておりました。」ここでは挨拶だけだったようです。
 時々メールで経過を報告してくれたのですが、ここからの話は後で聞いたものです。
 内宮で参道を歩いている時、陽だまりの暖かさを感じると「これが私のエネルギーです。」と天照大御神からメッセージがあった以外は特に驚くこともなかったようですが、お参りを終えると同時に、身包みを剥がされたかのように「不安」に襲われてしまったと言うのです。
 もともと、体型もがっちりタイプの弱音はかない人間なのに…ただ事ではなかったと思います。多分しっかり過去の罪悪感(?)を置いてくることが出来た為の影響ではないかとも思いましたが。
 そして彼は、伊勢神宮へ行った事で過去がよみがえってきたと言いました。
 実は彼も、自分で見たのではなく人から鎌倉時代に鎌倉にいたときの過去世を聞かされた事があったらしく、その話によれば彼は頼朝の側近の武士であったとのことでした。
 その後、何度か自分でも見ようと思ったけれども、何度見ようとしても正室が正面を見てくれない事や戦に行って2度と鎌倉に戻れなかった事、等が分かってきていた位でそれ以上は考えもしなかったそうです。私の話がとても近かったので内心驚いてはいたようですが、はっきり分かるまで言わないようにしていたらしいのです。 
 「思い出したよ、その場所に行ったからだろうけど。」
と彼は言いました。
 「俺がね、迎えに行ったんだよ。頼朝が見初めたんじゃなくて、俺が惚れちゃったんだよ。でも当時神に仕える娘を頂けるほどの立場ではなかったから、大殿である頼朝に頼んだんじゃないかな。だからそう言う話にはなってたのかもしれない。妻として連れて帰ったんだよ、巫女としてじゃなくてね。」
 もちろん、こんな所で話が繋がるとは思いもしなかったので、(旅行中話を作ったんじゃないでしょうね?)と半信半疑であると同時に、本当だったらすごい!と驚きでいっぱいの気持ちでした。
 私はずっと自分の名前がきらいでした。近くの八幡神社の宮司さんに頼んで付けてもらったと聞いていましたが、ありふれた名前だなあ、としか思えませんでした。彼と出会ってから、生まれた土地の神様は縁があると知ったので、生まれて初めて(!)神社の由緒を読んでみました。
 ___発祥は不明である…鎌倉の後期にこの土地一帯が鎌倉の鶴岡八幡宮に寄進され…___
 うそ〜そんなの知らなかった、だから八幡様と呼ばれているのか?そんな神社で命名されたとは、有難いと思わないといけないと考え直しました。
 娘につけた名前は外国の方が呼んでも日本語読みと発音が変わらないようにという思いで選んだのですが、ある漢字に直すと「天照大御神の孫」という意味がある、と命名後すぐに筆書きの文書で親戚の方が教えてくれました。私の物語など知る由もないご老人です。これも偶然なのでしょうか。

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